涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


「知ってる?授業中、麗矢はサクちゃんばっか見よるの」



え?



「絶対、サクちゃんには麗矢のこと渡さんけんね!」



真理ちゃんの宣戦布告に、面食らうように空いた口が塞がらない。


そんな私をおいて「東野さんごちそうさま!」と、200円を置いてお店を出てしまった。



「ちょ、ちょっと!?」



カランカランと扉が閉まる。


……なんなん。



「…………」



レイが私ばかり見てる?


なんの冗談かいな。



「三角関係?おもしれー恋愛しとるっちゃな、お前ら」


「……全然おもしろくないけん」


「解決策を教えてやろうか?」



解決策?



「サクが俺の彼女になればぜーんぶ解決〜っみたいな?」


「……なりません!一生!ごちそうさま!」



カウンターにお金を置いてお店を出た。


……バカみたい。


ちょっとでも東野さんに頼ろうとした私がバカやったわ。


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