涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


二人におやすみと声をかけて部屋に戻って眠りについた。


……それにしてもさっきの異常な胸のドキドキはなんだったんだろう。



「おっはよー!今日も不機嫌そうやな」


「……あんたは今日も元気やね」


「俺から元気を奪ったらなんが残ると思う!?」


「……ばか?」



朝、登校してひとり席に座っていた私に後からやって来た圭都が声をかけて来た。


……やっぱり黙ってたほうがいいよ、圭都は。


甘い顔したバカ。

クールそうに見えるアホ。


考えれば考えるほど残念すぎる。



「咲夜って可愛い顔してえげつねぇーことばっか言うよな」


「……それはどーも」



褒め言葉として受け取っとくよ。


この田舎に引っ越して来て3ヶ月が経つけど、やっぱりどこか浮いた存在なんだろう私に女の子友達はいない。


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