涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


愛をもらってる……って思う。

美紀さんにも、叔父さんにも。


優しくて、温かくて、

涙が出そうになるほどの安心感。


家族ってすごく温かいんやね。


レイのことで落ち込んでても、美紀さんのお味噌汁を飲んだら、ちょっとだけ元気になるんよ。


……お母さん?

私はお母さんとこんな風に暮らして行きたかったな。


……ごめんね。


私ばっかりが幸せに近くて。

生きてるのが私で、ごめんね。


お母さん、本当にごめんなさい。


環境が大きく変わって、美紀さんと叔父さんと暮らすようになって、優しさがどんなに嬉しいか知った。


家族のあり方を知った。


少しずつ進めてるんかな、私。


私のために死んでいったお母さんのことを考えると、罪悪感しかなくて。

幸せを感じるのも、未来へ行くのも、ためらわれる。


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