涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


それでも微笑むように真理ちゃんに笑顔を見せたレイに胸が痛くなる。


最高に痛い。だって、気づいちゃった。



「咲夜ちゃん、紹介するね!!私の彼氏の野村麗矢でーすっ」



カレシという言葉が、私の頭に衝撃を与えるように入って来た。


レイの腕に自分の腕を絡ませて、幸せそうに笑う真理ちゃんに私は微かに笑う。


……やっぱり、そうなんや。



「やめろよ、真理。はずいけん……」


「なにが恥ずかしいとよー!!」


「あーもううるせぇー」



二人の会話から耳を塞ぎたい。
仲の良さが、会話から伝わって来る。


こんなの、聞きたくない。


醜い嫉妬の感情が湧いて来る。


そうだよね。

高校生やもんね。


彼女ぐらいいて当たり前やね。


レイは小さい頃からカッコよかったもん。

今も、変わらずかっこいいし。


< 32 / 259 >

この作品をシェア

pagetop