涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


……これで、ハッキリした。


レイの気持ちは真理ちゃんのところにちゃんとあるんだ。


良かった。気づけて。

レイの言葉に、視線に、勘違いしなくて良かった。



「まだ、具合悪い?」


「……へーき」


「そんな顔しとらん」



じゃあ聞かんでよ。


……って、デジャブ?

前にもこんな会話したよね。


カーテンで仕切られた空間。
今何時なんだろう?
私はどれくらいの時間、気を失っていたんだろう。


レイのことを思い出して、じわっと涙が目に溜まった。
息を吐くと、また胸が詰まる。


やだ、泣きたくないっちゃけど……。

圭都に心配されたくない。



「咲夜?」


「……ひとりにして」



震えた声。


腕を目の上に乗せて隠してるけど、これじゃあ泣いてますって言ってるようなもん。


……ほんと弱虫。


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