涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
「麗矢の小さい頃ってどんな感じやったん?」
「小さい頃?」
「そう!麗矢ってなんか知らんけど小さい頃の話をあまりしてくれんとよ」
そうなんや……
なんでやろ?
話したくない理由とかあるんやろうか?
「レイは……小さい頃からすごく優しかったよ。私が泣いとったら慰めてくれたし、よく笑ってた」
「麗矢っぽいね」
今も変わってない。
すごく優しくて、いつも笑ってる。
レイがいると温かい気持ちになる。
どんなに暗い気持ちを抱えていても。
それはまるでそこにいて当たり前の太陽みたいに、優しくて温かい。
……それでもやっぱり月になりたいと願うのかな。
「病気だったからよく発作おこしてたし……」
「病気!?」