裏切り
「ふぅ~お腹いっぱいね」欄花が満足そうに呟く。「今日の夕食は特にすごい日だったらしいわよ。海鮮のマリネ、白身魚のバターレモン風味焼き。スイーツも最高だったわね。あのブッシュドノエル!あれなんか…」欄花の幸せそうな横顔を見て愛は言うのをためらった。あの光景が頭から離れず食事が喉を通らなかった。「ねぇ?大丈夫?具合悪いの、?」心配そうに覗く欄花に愛は「全然大丈夫よ」と無理に笑顔で答えた 。「それじゃ、また明日ね」ドアの前で別れてそれぞれの部屋に入った。愛はそのまま仰向けにベットに倒れこむ。信じられない。あんな子が。才色兼備で誰からも信頼されている彼女があんな裏の顔をもっていたなんて。不意にどこから猫のような鳴き声が聴こえた。ん?猫は埋められたのに。少し疲れてるのかしら、。考えすぎよね。愛はそのまま深い眠りについた。
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