裏切り
ハジマリ
「えー、ここはテストによく出るからきちんと勉強しておくように!」うとうとしながら愛は窓から外を見る。いつの間にか授業が終わり気づけば休み時間だ。いかんいかん!こんな調子じゃ。また三嶋由利亜に1位とられちゃうわ!中間テストで絶対にあの子を抜かさないと!
「ねぇ、愛!ちょっと、聞いてるの!?」はっと気づけば一緒にクラスメートで仲良くなった晴海が大声を張り上げている。「ん?ごめん、なんだったかしら?」「もう…!だから、来週の遊園地の話!」「あぁ、あれね…」来週に開かれる学園主催の新入生歓迎会。そこで行われるのがまさしくまたあの三嶋財閥が経営する三嶋遊園地での集いである。そこは学園の敷地内にありながら一般の人でも入れる。日本最大の広さであり人気もある。いつしか昔一番人気だったテーマパークの修正版だとか。名前が変わったらしい。そんな最大の遊園地をその日一日、学園が貸しきりだとか。で、もうこの日を生徒皆が心待ちにしており、もう勉強など手につかないと言うほどこの話で持ちきりなのだ。「どのアトラクションから乗る?お昼は何食べる?きゃ~超楽しみ!」晴海の興奮している姿をみながら愛は苦笑した。
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