晴れ、時々、運命のいたずら



1人になった穂乃花は鞄からノートを取り出し、白紙のページを広げた。


目の前の松本城を眺めながら頭の中で様々な事を思い浮かべる。


けれど、城を見ても何も浮かばない。



(千葉君…。)



いくら見ていても浮かんでくるのは先程まで一緒にいた稔の笑顔。


学校でも一番に挨拶してくれる。


すぐに話しかけてくれる。


何かあればすぐに助けてくれる。


分からない教室への移動もすぐに教えてくれる。


帰り際は必ず、また明日、と言ってくれる。



(ここに来れたのも千葉君のお陰…。)



一度ゆっくりと目を閉じ、ジッと立ち止まったまま周りの音に耳を傾ける。


そして、再び目を開けると、ゆっくりとノートに書き始めた。


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