不器用なシンデレラ
 宿泊しているホテルの名前と夜7時にホテルのレストランを予約するようにと指示が書いてある。

 私は決して詩音に逆らえない。

 仕方なくホテルのレストランに予約を入れて、理人くんに時間とホテルのレストランの名前を知らせ、詩音の名前を出して食事に誘うメールを打った。

 移動中だったのかすぐにメールの返事が来た。

 ”了解。お前、ちゃんと仕事しろよ。体調は大丈夫か?” 

「・・・理人くん。お願い・・もう優しくしないで」
 
 胸が痛い。

 私・・・またあなたに隠し事した。

 食事をするのはあなたと詩音だけなの。

 私は行かない。

 それに、隠し事はまだある。

 ”今夜、仕事が終わったらお時間頂けませんか?ご相談したい事があります。”

 本田さんにメールを打つ。
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