いつまでも
案の定、イサワくんは苦笑いをした。


「やっぱり? よく言われるんだ」


ちょっと後悔した。
たぶん、気にしているのだろう。


でも私は彼の声は全く嫌ではなかった。
むしろ、好きだ。

あの可愛らしくて甘い声は確かに想像とはかけ離れていたけれど、逆に今までに増して好感が持てた。


だったらそれを、彼に伝えないと。


「いや、高い声いいと思うよ? 私そういう声好きだし」


そう言うと、イサワくんの顔はぱっと嬉しそうに輝いた。


「ほんと?」


もちろん、決してお世辞なんかじゃない

私はもともと声が高い人が好きという珍しいタチで、先輩も含め今まで好きになった人はたいてい声が高い。


「それは嬉しいな」


弾んだ声を出した彼の右頬には、またえくぼが出来ていた。

その笑顔に、吸い込まれそうになる。
< 45 / 53 >

この作品をシェア

pagetop