いつまでも
しかし、こういう時はいったい何を話したらいいのだろう。

恋をしたことはあっても、こんな風に気になる初対面の男性と一対一で会話をしたことなんてない。


とりあえず、と私はありきたりな質問をした。


「えーと、イサワくんは何部なの?」

「科学部だよ!」


あ、そういえば知ってる。
思わずそう言いかけて口をつぐんだ。

調査報告書などという体裁で送られてきた愛理のメールにばっちり書いてあったからだ。


自分から話題をふったのはいいけど、すでに知っていることを聞かされた上でいい反応ができるほど、私はコミュニケーション能力が高くなかった。

そうなんだ、と凡庸な返事しかできない自分に苦笑い。


しかし彼はそんな私に気付かず、さらに話を進めた。


「あ、でも、クラブチームで空手やってるよ!」


それは、なかなか衝撃的な新情報だった。


「えっそうなの?」


イサワくんの口から続いて出た情報に、素直に驚きの声を漏らしてしまった。

外部のクラブチームで活動していることは知っていたけど、まさか空手だったとは。
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