いつまでも
「このまま追いかけ続けても、りっちゃんが傷つくだけだよ? りっちゃんのこと、好きって言ってくれる子もいるんだし....」


「それでもいいの!」


愛理の言葉を遮って出た自分の声は、音量は抑えたものの思っていた以上に鋭かった。

慄いたような顔をする愛理。


「あ、ごめん...」


やってしまった。私の悪いくせ。
感情が高ぶると、口調がきつくなってしまう。


「あたしはりっちゃんが傷つくところを見たくないだけ」


静かな声でそう呟く愛理。
と思ったら、急にぱっと明るい顔になった。


「そういえば、聞いて欲しいことがあるの! 昨日すごくいいことがあってーー」


気を遣って、話題を変えてくれたようだ。


愛理、ごめんね。
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