おててがくりーむぱん2
一通りの操作方法を習って、後片付けが終わると、十一時。
「これじゃあ、皆川先生呼んだの意味なかったなあ」
野島が不平を口にする。
確かに、わたしは来る必要なかったかもな。
「皆川先生、これからどうする?」
野島が椅子にだらしなく座りながら、光恵に訊ねた。
「えっと、特に……」
「俺さ、今月ピンチだから、ここで買ってお昼食べる。皆川先生はどっかでおいしいもん食べて来ていいよ」
「そうですか?」
光恵はほっとした。正直、野島とお昼の時間を共にするのは、面倒だ。
「じゃあ、俺、コンビニ先に行ってもいいかな?」
野島が財布をポケットに突っ込みながら立ち上がる。
「はい、どうぞ」
光恵は、コンピュータ周りを整頓しながらそう答えた。
「じゃあ、よろしく」
「はい」
野島が事務室を出て行く。
そこではっと気がついた。
佑司と二人だ。
なんだか気まずい。