おててがくりーむぱん2


「ありがとう。よくわかった」
「光恵も大変だけど、頑張って」
佑司はそう言うと、笑いながら立ち上がった。


「これから会社帰るよ」
「佑司も大変ね、おつかれさま」
「うん、サンキュー」


この後食事どう?
そんなことは、気軽に言えない間柄になった。


元彼は友人にはなれないのだ。


「皆川先生」
ふと背中から呼ばれて、光恵は振り返る。


「あ、おつかれさまです」
帰り支度をした白鳥先生が、すぐ近くに立っていた。


「皆川先生、もしかして、この人とお知り合い? なんだか親しげに話してたから」
「あ、はい、大学の同級で」
「まさか、婚約者?」
「え?!」
光恵は驚き、ちらりと佑司の様子を見た。


佑司は涼しげな表情で、白鳥先生を見ている。
でもよく見ると、黒斑眼鏡の奥の目が笑っていた。


「ご存知だったんですか?」
佑司がすかさずそう訊ねた。


光恵は「違います!」と言おうとしたが、とっさに白鳥先生にはこうやって紹介しておいた方がいいと、思い直した。


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