木曜日の貴公子と幸せなウソ


「状況は今も同じ。3人目を妊娠して、エミも幼稚園に入園するからって、実家の近くに義兄はマンション買ったんだよな。それが幼稚園に届け出てる現住所。てっきりオレは萌がその家庭環境調査票を見て、知っているのかと思ったんだ。だからあえてオレから言わなかった」

「……ポンポン見られないよ。私はエミちゃんの担任じゃないし、そもそも個人情報だもの。新しいクラスになった時に、チェックするくらいで、他のクラスの子のは見られないよ」

「だよな……。オレも教師なんだからそれに気づくべきだった」


邦章はそう言って、苦笑した。

その顔も子どもっぽさが残っていて好きだな……。

おかゆを食べながら、そんな事を思ってしまった。


「ところで、邦章が病院に連れて行ってくれたのはいいけど、園長先生、驚かなかった?」

「実は萌と高校時代から付き合ってる仲です。オレが連れて行くのでエミをお願いしますって言ったら、すげー驚いてた」

「……えっ?!」


高校時代から付き合っている仲です……って。

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