桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー
涼が亡くなってから、
私は自分の世界から
色を失くした。
もう……、
何も見たくない、
聞きたくない、
食べたくない。
涼のお葬式に出席しても、
私はほぼ放心状態で。
涼が亡くなった。
この現実を、まっすぐに
受け止めることができなかった。
そして、部屋から出なくなって、
1週間。
私はいつものように、
ベッドに突っ伏していた。
涼は、私の全てだったんだと、
この時始めて気付いたんだ。