キスから始まる方程式
ガツッ
「キャッ」
走り疲れて足がもつれ、勢いよくその場に倒れ込む。
スカートの裾がめくれて覗いた膝からは、擦りむけて血が滲んでいた。
「痛い……。痛いよう……っ」
膝も胸も心も、全部が狂おしいくらいに痛くて、力尽きたようにその場にうずくまって泣き崩れる私。
「なんでっ……うっ……なんでこんなことになっちゃったの……っ?」
自分に腹が立って、血が出そうなくらい強く握りしめた拳をドンドンと何度も床に叩きつける。
「好きって言えなくてもっ……なんであの時……っ……素直に付き合わないでって……っく……言えなかったのよーっ……!!」
他に誰もいない廊下に、私の泣き声と後悔の詰まった拳の音だけが、いつまでも虚しく響いていた……――――