キスから始まる方程式
「ねえ桐生君っ、もうすぐ予鈴鳴っちゃうよ!?」
それでもなんとかしようと桐生君に話しかけるのだが、やはり桐生君は歩みを止めてはくれない。
教室棟を出て渡り廊下を経由し、管理棟へと突き進む。
そうしてようやく桐生君の足が止まったのは、いつも私達が放課後落ち合っていた例の立ち入り禁止の階段だった。
「桐生君、戻ろうよっ」
桐生君のただならぬ雰囲気を察して、背中に向かって尚も呼びかける。
「痛っ……」
しかし、ギリッと掴まれた手首が更に強く締め付けられた次の瞬間……
ダンッ
「きゃっ……っ!?」
私の体は階段の踊り場の壁へと、荒々しく押し付けられた。