君とふたり暮らし。
第2章 これって恋?

①亮太 ――意識。

 バイトの昼休み。今日はタイミングが悪くて、いつもより遅い休憩になった。多いときは15人くらい一緒に休憩に出るのに、今日は俺と、レディースの社員・奥村さんだけ。奥村さんとは、まあまあ仲がいい。たまに皆で飯を食いに行ったり、ボーリングに行ったりする。うちの店のスタッフは皆仲がいいけど、店の外では社員とバイトで別れる事が多い。でも奥村さんはバイトから社員になったばかりで、社員同士よりもバイトのやつらとの方が仲がいい。
「何か元気ないね。」
 奥村さんは社員になってから、いつも落ち込んでるように見える。
「うん。ちょっとね。なんか‥自信なくて。」
「仕事の?なんで?ちゃんと売り上げとってるじゃん。」
「ギリギリだよ。もう、いっぱいいっぱいで‥。ダメかも。」
 ハァァッとため息をもらす。らしくないな。
「元気出せよー。話ならいくらでも聞いてやるからさー。そうだ、今日、終わったら飯食いに行こ。えっと、佐倉さんも誘って。」
「佐倉さん?佐倉さんも来てくれるの?」
「うん、聞いてみる。同じレディースの子もいた方がいいだろ?」
 とかなんとか言って、俺が佐倉さんを誘いたいだけだったりして。
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