REAL YOU～本当の君～

何となく重い気持ちでバーにいったあたし。このバーは、スペースが広くて開放的なのが特徴。ここを知ったきっかけは、ここのオーナーがビラ配りをしてた。それを受け取って行くようになった。
あれから3年は経つのかなあ・・・。

このバーでも色々な恋愛があり正直懲りていた。こういう所は、基本的に出会いを求めて探しに来る人がいる。

自分もそのうちの1人だった。だけど、今は、そういう気持ちはない。ただ、自分自身がもっと楽になりたかった・・・。

バーの扉を開くとスタッフの絵美が笑顔で迎えてくれた。

「杏奈ー、いらっしゃーい！お疲れー！」

「お疲れ！あれ？今日ガラガラだね・・・。」

「うん、まあ母の日だしね・・・。」

「あれ？裕貴は？」

「いるよ、あそこに。」

裕貴を探すとカウンターに座って一服していた。

「裕貴、お疲れ。母の日なのにお客少ないねー。」

「ああ、まあ日曜と言うのもあるしね・・。」

「あ！裕貴、お疲れだね？顔が笑顔じゃない。駄目だよ？接客業はある程度笑顔で居ないと・・・。絵美もお疲れだから2人まとめてマッサージするよ。」

「「マジで？やったねー！！」」

喜ぶ絵美と裕貴。

まずは、裕貴の肩をもみ、次は、絵美の肩をもんでリラックスしてくれたみたい・・・。

やってるあたしも手が痛くなり少し休みながらしていた。

そして、もう1人ここの若手のスタッフ大学生の由布子ちゃん。

あどけない顔していて、親しみやすい感じが特徴な彼女。

「由布子ちゃん、お疲れ。」

「ああ、杏奈さんお疲れ様。今日はお出かけですか？」