【長】野球ボール
「叶夏?え…泣いてんの?」


「うーるーさーい!!汗だよっ」


「目から?まぁいいか。暑いもんな」


そう言いながら一輝は、抱きしめる手に少し力を加えた。


夏の暑さも今は嫌じゃない。

むしろ…心地いい暑さ。




「俺…叶夏に言いたいことがかなりあるんだけど…今は何も出てこないわ…」


「何ー?気になる。これからゆっくり教えてね」


「そうだな。時間はたくさんあるもんな。あ、先に言っとくけど…俺かなりヤキモチ妬くから」


「え?」


「片想い中…イライライライラしてたし?」


「そんなにあたしが好きかーっ」


一輝の言葉が何だかうれしくて、照れ隠しで言った言葉。

そんな返事が返ってくるなんて思ってなかった。


「明日になったらもっと好きなんだろうな!!これ以上があるって今は信じられねぇけどっ」


同じ気持ち?

あたしは今、すごく幸せだよ…。
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