魔女の瞳
よくよく調べてみたらなんて事ないオチでした、というのならばいい。

でも私は確かに感じている。

あの旧校舎から漂う『魔道の気配』。

本来ならこの平和な学園に似つかわしくない、べっとりとした黒いペンキを塗りたくったようなドス黒い気配が、あの旧校舎から漂っているのだ。

…別にあの旧校舎の中で何が行われていようが、私は構わない。

床に魔方陣が描かれていようが、生贄を捧げたサバトの儀式を行っていようが、私には何の関係もない事なのだ。

が、そこは魔道に関わった者として、興味は惹かれてしまう。

…今日の放課後辺り、少し覗いてみるか。

私は手元でシャーペンをクルクル回しながら、旧校舎を睨んだ。










教室も廊下も、オレンジ色に染まる。

部活や帰宅、友人達との寄り道。

それぞれの目的を持った生徒達が校舎を後にしている。

放課後。

私は一般の生徒達が出払うのを待って、行動を開始した。

私自身はあまり意識していないのだが、どうも四門メグという存在はこの学校では目立つらしいのだ。

修内太曰く、

「そりゃ目立つだろ。お前自覚ないのか?顔もスタイルもいいし、かなり美人だぞ?お前」

との事。

「ふぅん、それって私の事口説いてるの?」

なんて返答したら、アイツったら柄にもなく赤面してそっぽ向いてたけど。

まぁそんな訳で、なるべく人目につかない時間まで行動は避けていたのだ。

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