花の名は、ダリア

トーデスエンゲルの瞳が、安堵と喜びに輝く。


「ほ…本当に?」


「もちろんさっ。
こーんなコトはするケドね?
バルス☆」


微笑みを絶やさぬまま、ソージはトーデスエンゲルの輝く目を人差し指と中指で突いた。

アゲて、サゲる。
てか、オトす。

これぞ匠の技デスネ。
ワカリマス。

やはりトーデスエンゲルもお約束通りに、
『ぎゃぁぁぁぁぁ
目が… 目がぁぁぁぁぁ…』
と叫びながら転げ回ってくれるが、もはや笑えない。

ヨシュアの時とは違い、彼の両目からは血が流れ出ていたから。


「喚くなって。
人間その程度じゃ死なねェコトは、おまえもよく知ってンだろ。」


立ち上がったソージは、優しい笑みを非情な笑みに変えてトーデスエンゲルを見下ろし、冷ややかに吐き捨てた。

そして、乱暴に襟首を掴んで…


「悪ィな。
ゆっくり構ってやれなくて。
俺、早くダリアを追いかけてェンだよ。」


ズルズル引きずって…


「だから一人で楽しんでくれよ。
今な、外が面白ェコトになってっから。」


ズルズルズルズル引きずって…

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