小鳥沢2丁目物語
水着着て、ワンピース着て、軽く化粧して...
「おまたせっ!!」
わたしは急いで準備をすると、部屋をでた。
そこには水着にパーカーの玲くんが立っていた。
ほんとに軽音部?ってくらいの見事に割れた腹筋がパーカーからみえている。
「なに、お前水着持ってこなかったのか?」
「んーん、中に着てるよ!」
「そっか!...行くぞ」
旅館を出ると、玲くんは海がある方へ歩き出した。
「お前さぁ、この合宿でまだ1回も海来てないだろ?よく頑張るよなぁ」
「スタジオたのしくてさ!しかもわたしギターちゃんとやり始めたの最近だから迷惑かけちゃいけないと思って...」
「まゆのこういうとこ、俺割と...好きだわ」
ドキッ
そういう意味じゃないってわかってても、玲くんの言葉にわたしの心臓はうるさく音を立て始める。
わたしなんて、好きでも言えないのに___
伝えたいよ、玲くんが好きだって。
「...ついた」
しばらく歩くと、海に着いた。
「...綺麗...!!!」
「夜の海って綺麗だよな。あかりの付き添いで来た時、ずっと眺めてたんだ。お前だけ見ないで帰るとか勿体無いと思って」
玲くんは海を見つめながらわたしに話しかける。
「ありがとう」
「お前が1番頑張ってたしな」
こんなに優しい玲くんは初めて見た気がする。
わたしの心臓はドキドキとうるさくなり続ける。