一冊の手紙Ⅱ


この声の持ち主は、絶対に私の名前を間違えたりしない、大切な人。


教室のドアの所から、こちらに向かって顔を覗かせている。

「光輝‼」


加藤光輝(カトウコウキ)。
私の幼なじみで、生まれた時からずっと一緒にいる大切な人。


「彩葉、ごめん‼今日部活長引くみたいなんだよね」

「あっ…そうなんだ。じゃあ、先に帰ってるね」



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