犬男子、拾っちゃいました。
両親の事については、なるべく触れられたくなかった。


それは、あたしの中でのパンドラの箱。


知ってはいけない。思い出してもいけない。


だって、あたしの両親は―――……。


「死んじゃったんだ……」


「………え?」


明らかに動揺したライウの声が、静まりかえったリビングに響いた。
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