ウチらの初恋〜natumi〜



「夏海、なんか食べたいのある?」

「うーん……あんまりお腹すいてないので軽いのがいいです」

「カフェとかでいいよね?」

「はい、近くにオシャレなカフェとかありますかね?」

「ちゃんと調べておきました!」

「えー!?気が利きますね!」

「今日は楽しんでもらいたかったから」

「翼先輩、私以上に楽しみだったんですね〜」

「………うん」

「素直……」

「この店早くしないといっぱいになっちゃうよ!!」

「急ぎましょ!」

「………」

「翼先輩………?」

「ごめん………」

「え?」

「どっかにケータイ忘れた……」

「えー!?どこにですかー!」

「ケータイないと店の場所わかんない」

「さっきの宝石店ですかね?」

「ちょーかっこ悪い……」

「翼先輩、戻りますよ!」

「…………」

「今日の翼先輩、先輩じゃないみたいでした」

「でも、いつもの翼先輩で安心しました」

「………嬉しくない」

「まぁ、いいじゃないですか!」

「まじでごめん………」

「ドジですね〜」



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