吸血鬼
王宮に帰るとセーサスとデュレがいた
「王!
お帰りなさいませ
ご無事で何よりです」
そう言いセーサスは頭を下げた
デュレはあたりを見ながら
「例の男はどうなったのですか?」
と聞かれたから人間界での事を話した
するとセーサスが
「お妃様を吸血鬼にはなさらないのですか?」
と聞かれなぜかと問いた
「お母様を?
なんのために?」
するとデュレが
「勿論、一秒でも長く同じ時を生きるためです」
そう言われて私は
「それは違う」
そう言った
二人は顔をしかめた
私は話を続けた
「違う
お母様には人間界での暮らしがある
おばあ様やおじい様もまだこの世にいる
吸血鬼になれば行方不明となる
それはこの世への後悔でしかない
それにお母様は吸血鬼になりたいと思ったことはないだろう」

