シャイン

この煙草、まっず。


3人組のひとりが倒れた時にポケットから出た煙草をもらってやった。

ちょうど俺のは、切れてたしな。
でもまずい。やっぱいつも吸ってるのが、お気に入りだわ。


「…あー、暇」
俺の言葉に、誰が反応する訳でもない。

目の前でぐったりと倒れている3人は、すこぶる弱かった。


あの男子校、ヤンキー校な割には弱ぇんだよな。
おかげで俺は、傷ひとつなし。

煙草をしっかり踏みつけてから、堤防の下の芝生に寝転んでみる。


あったけぇ。春って、いいよな。




…俺でも、春がいいと思えるんだ。




いつも、喧嘩をしたあとはいい気分になる。

負けたことは…ない。
でも、大事なのは勝ち負けじゃない。

いつか、負けてもいい。この先ずっと、負けてもいい。

それでも喧嘩を続けたい。


…頭おかしいのかもな。


でもそれは、大笑いを取れた芸人とか、契約を掴んだ営業マンとか…そいつらの気持ちに似てんだよ。



俺は喧嘩をしているだけで、それだけで、いいんだ。

ここにいるってことを感じられる、瞬間なんだよ。



俺が生きてる、証みたいなモンなんだよ
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