シャイン
「お疲れ様~」
真っ青な空だけが映ってた視界に、入り込む…キャラメルフランスパン。
上半身だけ起こすと、やっぱり小暮がいた。
ほら、と言って二個パンを投げてくる。
「ありがとーは?」
「…約束だからあたりめーだろ」
「秀司くんは素直じゃありませんねぇ~」
なぜか嬉しそうな小暮は、俺の隣に腰を落とした。
俺は小暮がくれたパンの袋を開ける。
ちょうど、腹減ってたんだよな。喧嘩してたら、昼になってたし。
「よくここが分かったな」
「もちろん。俺と秀司の仲でしょ」
「…きも」
「ひどいな~、それより、喧嘩するなら呼んでくれよ」
「別に、俺ひとりで十分の相手だったし」
「さすが。無敵の秀司くん」
ニヤニヤ笑ってくる小暮が、気持ち悪くて仕方ねぇ。
でもこんなに能天気な小暮でも、喧嘩は強い。
俺のことを無敵って言うけど、小暮だって負けたことねぇんじゃねぇかな。
そう、こいつは喧嘩だってする“ヤンキー”なんだ。
なのにどこへ行っても、誰とでも仲良くなれる。
俺みたいにバスに乗っただけで変な目で見られていたりしない。
…何でだろう。
見た目が何か、俺の方が怖い印象を与えてんのかな。
でもどちらかというと、俺の方が“普通”だと思うんだけど。
俺は、一度も髪を染めてないしピアスも開けたことがない。
でも小暮は、金髪のふっわふわの髪をして、両手じゃ収まらないくらいのピアスを開けてる。
服装だって…、俺はちょっとゆるく崩して着てるだけ。
小暮はいくつかの派手な柄のパーカーをローテーションで着てるし、シャツはかなりはだけてる。
…何で俺ばっかりなんだよ。