星降る夜に。
いつもは仕事をしている時間に会社を出て、電車に乗った。
ちょうど帰宅ラッシュが始まる頃らしく、車内はそれなりに混雑していた。
大輔さんの家は私の家と反対方向だ。
いくつかの駅を通り過ぎて最寄駅に着くと、近くのスーパーに寄った。
彼の家に食材があるか分からないし、何か食べやすいものを持って行きたかったから。
横村さんに渡された住所をスマホに入力して、地図を見ながら辿りついたマンションは3階建てだった。
大輔さんの部屋は最上階の角部屋。
一応インターホンを押したけれど反応はなかった。
鍵を開けて中に入ると、室内は静まり返っていた。
リビングに入ると、ソファで丸まって眠っている大輔さんを見つけた。
無防備な寝顔は髪の毛が下りているからか、柔らかい表情に見える。
彼の腕で眠ったあの夜を思い出してしまった。
そっと額に触れてみると、まだ少し熱かった。
長いまつ毛、薄いけど柔らかい唇。
ずっと見ているとキスをしたくなってしまう。
タオルケットをそっとかけ直すと、私はキッチンを借りることにした。