星降る夜に。
「大輔も莉子ちゃんに連絡すりゃいいのに。何を遠慮してるんだか…。一人で大丈夫だって意地張っちゃって」


「大輔さん…かなり具合悪いんですか?」


「熱は下がってきてるみたいだけどね。何せ男一人だろ、それで寝込んでるんじゃロクなことになってないだろうと思って。それじゃあ、よろしく頼むね」




横村さんは傍らに停めていた車に乗り込むと、さっさと行ってしまった。


鍵を受取ってしまったけれど、勝手に家に入ってもいいのかな…。

だけど病人の大輔さんに連絡をするのも気が引ける。私なら具合が悪いときに電話になんて出たくない。
とりあえず行ってみるしかないんだろう。



「莉子ちゃん、お茶入ったから休憩にしよう」



振り返ると、正面の扉から岡村さんが顔を覗かせていた。



「この前の人もかっこよかったけど、今日の人もいいねぇ。どんな関係よ?浮かない顔して」


「知り合いです。実は共通の知り合いが体調崩して寝込んでるみたいで、様子を見てきてくれないかと頼まれて…」


「それなら早退する?莉子ちゃん、真面目に働いてるし、もうすぐバイトの子が来るから今日はいいわよ」


そう言って岡村さんは私の肩を叩いた。
早退するなんて初めてだ。
< 102 / 171 >

この作品をシェア

pagetop