星降る夜に。
莉子はエステとスパの予約をしているという。どっちも一気にやるって、すげーフルコースだな。



俺は夜にデートをしようと誘った。少しオシャレをしてきてほしいと頼んで、それから昨晩と同じヘアスタイルをリクエストした。






リゾート地でスーツも案外悪くない。と言っても、東京でひと仕事してから来ただけで、時間もなくて着替えもせずに飛行機に乗ったわけだが。



莉子との待ち合わせはスカイラウンジにした。ラウンジの半分が全面ガラス張りで、スカイエリアと名のつくその場所からは海が一望出来る。

さすがカップルだらけだ。



ふとエレベーターのほうを見ると、莉子が立っていた。

白い膝丈のワンピースと、頭は華やかなアップヘアになっている。
首元が広く開いたワンピースからは鎖骨がのぞいていた。


立ち尽くす莉子のほうへ向かう。



「何見とれてんだよ。そんなにかっこよかった?」


「うん」



冗談で言ったのに…莉子の返答に本気で恥ずかしくなる。
まいったなと呟くと俺を見て莉子は笑っていた。


莉子の肌はつやつやしていて、小さな顔が更にほっそり見える。
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