星降る夜に。
「あのマンションは?仕事なんて嘘だろ」



吐き捨てるように言われて思い出す。

あの日、大輔さんが指輪をくれたんだよ…。



「風邪を引いて寝込んでるから様子を見に行ってほしいって、その人の友達が会社に来たの。それで…様子を見に行った。誠さんはどうしてそこにいたの?」



みのりが言ってたように尾けられたのかな…。



「あの近くに取引先があるから行ってた。みのりちゃんの家は違う方向だろ?誰のところだろうと思ったけど、聞かなかった。こういう最悪の状況だとしても僕にバレないようにやって、僕のところへ戻ってくるならそれでいいと思ってたから」



…この人はどこまで優しいんだろう。最低なことをしているのに。許されることじゃないのに。目を瞑ってくれるつもりだったんだ…。




「優しいなんて思うなよ。莉子を離したくないから言ってるんだ。元々、莉子の実家の支援を脅しに交際を迫った。無理強いしたんだから当然の結果だよ。それでも好きになってくれてると思ってた」


「…確かに最初は恋愛感情なんてなかった。でもそのうち好きになってたし、だから結婚を決めたの。この人とならいいかな、って。だけど…」
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