星降る夜に。
「俺も一人なの。みんな何人かで来てたりするじゃん?今日来たばっかなんだけどさ、可愛い女の子はいてもすでに男連れてたりして」


「私は可愛くないんで…」



そう言って立ち上がろうとしたとき、左腕を掴まれた。私の腕を掴んでも、その手にはまだ余裕がある。この人の手はどれだけ大きいんだ…。

離してくれそうになくて私は仕方なくそのまま座ると、そっと腕を離してくれた。



「可愛いと思ったから声かけたの。髪もサラサラそうで触っちゃったし。ごめんね。後ろ姿しか見てなかったけど、俺はお世辞とかからっきしだから」


「じゃあ、もし私が妖怪みたいな顔だったらどうするつもりだったんですか」


お世辞が苦手と言いながら後ろ姿だけで女に声をかけるなんて、口の上手い男じゃないと乗り切れないだろう。



「綺麗すぎて僕には手が出ません!つって逃げる」


「……バカにしてるでしょ」


「嘘も方便って言葉があるだろ。そっちだよ」
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