星降る夜に。
何だそれは。

ふざけた返答に思わず笑ってしまう。彼も笑っていた。

たとえお世辞だとしても、初めて会った人に可愛いと言われるのも悪くない。
普段ならそんなこと白けてしまうタイプなのに、旅の魔力かな?



「名前、何ていうの?」


「莉子。こういう字」


私は指で砂浜に自分の名前を書いた。それを見た彼も同じように名前を書いている。


大輔


「大輔さん…」


「せっかくこんなところにいるのに堅苦しいって。大輔でいいよ。莉子、いくつ?」


「27」


「えっ、10も下か。俺は37。莉子、良かったら島にいる間、付き合ってくれよ。一人じゃもったいないし、莉子とは気が合う感じがする」



大輔さんは私に向かって手を差し出した。
私、この手を取ってもいいのかな…。

でも、3日間しかない。夢を見るのは今しかない。自分に正直になるのは今しか…。



私はそっと、大輔さんの手を握った。
私の手がすっぽり隠れてしまうほど大きくて、ゴツゴツ骨ばっているのに、長い指はすらりとしている。
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