星降る夜に。
「これは莉子にだけ身につけててほしい。最初はもちろん売るつもりで作ったものだけど…俺から莉子へ、世界で一つだけのプレゼント。そういうのも悪くないだろ?」



いたずらっぽく笑う大輔さんに、抱きつきたい衝動を何とか抑え込む。


そんな素敵なプレゼント、私にはもったいない。本当なら貰う資格もない。
だけど、とてつもなく嬉しい。



大輔さんが私のためだけに作ってくれたものなんだ…。



彼の顔を見ると、愛しいものを見るような優しい眼差しをしていた。



「莉子、俺のわがままを一つだけ聞いてくれないかな」


「…何?」


真剣な眼差しに心臓がドクンと、大きく跳ねたような気がした。



「毎週金曜日に会ってほしい。もちろん、予定があるときはそっち優先でいいから。自分でも諦めが悪いって分かってる。でも、莉子の時間を少しだけ俺にくれないか。莉子と過ごす時間が欲しいんだ」




普通の恋人同士なら何てことのない“わがまま”でも、私たちはそうじゃない。
私には誠さんがいる。それに今日でケリをつけるつもりだった。



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