星降る夜に。
横村さんに声をかけられて現実に戻った。

私はこうして煌びやかなジュエリーを見るだけでも幸せな気持ちになってしまう。
姉やみのりだったら「欲しい」と言うだろうけど。



「大輔から莉子ちゃんのこと少し聞いててさ。だからずっと会ってみたくて。今日店にいてラッキーだったよ」


「私も吉岡さんから横村さんのことを伺ってました。デザインもやってらっしゃるそうで」



小さなダンボール箱が10個と、A4の封書が30通。

大きさを測ってから領収書にサイズと数、金額を書き込んでいく。



「ここ5年でやっと食っていけるようになってさ。最初の頃はもう借金ビンボー。ところで莉子ちゃん、いい指輪してるね」



横村さんは私の左手を見て言った。しかも見ただけでブランド名も当ててしまう。さすが業界人だ。

この指輪は芸能人にも人気のジュエリーブランドのもので、姉とみのりが騒いでいて初めて知った。



「あの、コレって高いんですか?」


「まあ、彼氏に失礼だから金額は言わないけど…そうだなぁ。ちょっとランクが上の軽自動車一台分ってとこかな。もちろん新車ね」
< 70 / 171 >

この作品をシェア

pagetop