星降る夜に。
姉は妊娠中ということもあって、あまり運転していない。お腹が大きくなって苦しいことと、初期はつわりと眠気が酷くて集中力が急激に落ちたから、とのこと。

だから旦那さんが仕事のときには、私が実家の車を出して買い物に付き合ったりする。


由衣は私のTシャツの裾を引っぱって言う。



「莉子ちゃん、車出して。どっか行こうよ」


「いいよ。どこに行こうか」



姪っ子というのはどうしてこう可愛いのだろう。由衣が生まれた頃から世話を手伝っているかし、二人で出かけることもあるから娘同然の感覚だ。



「莉子、それならさ、吉岡さんのところに連れて行ってよ。やっぱり誠くんのいないときに先に会っておきたいから」



大輔さんからは連絡がないまま。私からかけてみればいいのかも知れないけど…。


「さーて、一度家に帰って着替えてこようかな。莉子も化粧してオシャレしときなさい」


「…化粧はするけどさ」


「そんなこと言ってると、彼の中の莉子のイメージが制服姿だけになるわよ」



痛いところを突かれて何も言えなくなる。
大輔さんがお店にいるかどうか分からないけれど、少しは身奇麗にして行こう。みのりにも言われたんだ。綺麗な自分を憶えててもらうほうが得だ、と。
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