ためらうよりも、早く。
数日経ったある日の午後。
泣いて弱気になっていたのが嘘のように、役員として今まで以上に仕事をこなす私がいた。
どうやら、のんと本音で話したことで吹っ切れたらしい。
なぜこの私が男で潰れなきゃならないのか、と結論まで出たのでそれに忠実に生きることにした。
いつも通り、支社間でのWEB打ち合わせや本社での会議等に追われ、昨日は上海までひとっ飛びしたりと、自分で言うのもアレだけれど精力的に業務に取り組んだ。
さらに2日後に迫っているのが、中国の辺境地にある縫製工場への査察出張。これはさすがに2泊3日は避けられない。
それも相俟って、スケジュールはいつも以上に濃厚に詰まっているため、当分は慌ただしい日々が続く。
秘書の水橋さんには、「少し休憩なさって下さい」とお茶を出して貰う回数が自然と増えていた。