【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―


七瀬さんはなんでも極端というか

そこもなぜか好印象を受けてしまうのだけど


七瀬さんはなんだか不思議な人だ。




「ありがと、七瀬さん

私でよければ友達になろう
私気のきいたこととか言えないけど」


「ううん、私こそ

やっと高橋さんの役にたてるね」




役になんて立たなくていい

七瀬さんはいつも明るくて私だけじゃなくてクラスを明るくしてくれる。


その存在だけで

私は結構救われている、なんて
大袈裟かもしれないけれど。

本当に

思ってる。


「高橋さん、せっかく友達になったんだし

私のこと名前で呼んでよエリカって」


「え、けど、そんないきなりは」


「ヒロちゃんは下の名前で呼んでるじゃん」


「あれは、キノがそう呼んでいたから」


「えーっ」



七瀬さんは気にくわないというような表情で私を見たあと

また根気強く名前の呼び方を強要された。

こんなに言われてるのに嫌だと言うのもノリが悪いようだし


確かに友達なら名前で呼ぶのが普通だろうけど。


名前で馴れ馴れしく呼びあう人なんて


なんか久しぶりかも…


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