『死』と言う名の何か【短篇集】
しかし彼女の真剣な眼差しに俺は、彼女の恋の協力者となった。

とは、言っても大した事はしていない。

先輩の情報(好きなものとか)を教えてあげる程度だった。

些細な事だったが彼女はそれで満足しているようだった。

好きだと言う割には彼女は先輩に積極的に話しかけたりしなかった。

先輩は、特別カッコいいわけでもないし、付き合っている人はいなかった。

だから俺は、彼女に言った。

「告白したらいいのに」

しかし彼女は、首を横に振るばかり。

「見ているだけで十分だから」
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