恋人は高校生組長
だから、私は準備を始めた。



私たち極道がいなくても崩れることのない、平穏な世界のために。



賭場でのいかさまは禁止した。

白虎の組員には、他の組のやっていることでも止めるように指示した。



クスリの取引き。
売春あっせん。


白虎がほとんど手を出していない闇の領域にも干渉した。

「やめろ」と声をかけるように命じた。



北、南、東もきっと、私の気持ちをわかってくれると信じて。






「いいわね、ワタル」

「はい、お嬢」

「私たちが必要とされない世界よ」

「はい」

「準備を進めて」

「……本当によろしいのですか?」
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