手の届かないキミと


「ああ、そういえば、誰かやるって言ってたやついたよな?」

「いたか?そんなやつ。」

「サンドビーチとかだっけ。」

「それか!そうだな。おい、ハル!」


いきなり西村くんがハルくんの名前を呼ぶから、驚いてちょっとだけ肩があがってしまった。

ハルくんは眠そうに、机に突っ伏していた顔をあげた。


「…なんだよ」

「ハルのいとこがサンドビーチで海の家やるって、前にハル言ってたよな!」


ハルくんはあくびをふぁーとしながら「うん」と答えた。

ネコみたい…思わず胸がきゅんと鳴る。

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