手の届かないキミと
ぽたり、額から汗が落ちて、私の手元の土を濡らす。
じわりと広がり、乾いた土の色が変わるのを見ていたら、なんだか頭がぼんやりしてきた。
あれ…どうしたのかな、私。
寝不足なわけじゃないし、まだそんなに疲れてもないはず…
くらりとして、視界が真っ暗になった。
頬に土のざらざらした感触がして、鼻にすんと雑草独特のにおいがする。
誰か…
誰か、助けて…
途切れる意識のなかで浮かんだのは、ハルくんだった。
ハルくん…
「た…すけ…て……」