コンビニ砦の戦い(仮題)
山本さんはカウボーイがやるように頭の上でそれをクルクル回す。
ヒュっとそれを投げた。
陥没した道路の一番向こう側に土から木が出ていてそれを狙ったようだが、僕はゾッとした。
あれにロープを引っ掛けて渡るつもりだろうか?
土の中から出てる木は確かに丈夫そうに見えたが、それは表面的な事だだけではないのか?
そう簡単にロープは木に掛からず何度も挑戦した。
僕は心の中でロープが掛からなければ良いのにと思ったが、十数回目でロープは木に上手く掛かかってしまった。
思わず呻き声が出た。
山本さんはロープはぐいっと何度も引き木が大丈夫か確かめた。
そして、そのロープを今度は小山の横に出てる切り株の所に括りつけた。
ロープはある程度の張りを保ちこちらとあちらを結んだ。
これでこちらと向こう側は一本のロープで繋がれた。
山本さんは満足そうに息をついて煙草を吸った。
「俺があのロープを使って渡るから。二人はこっちのロープを見張っててくれ。念のためだ。多分上手く行くと思うが落ちたら後を頼む。」