恋のカルテ

「じゃあ、着替えたら職員入り口に集合ね」

「分かりました」

エレベータを降りて、各々ロッカーへ向かう。今日は久しぶりにワンピースを着てきた。誰に見せるわけでもないけど、今日くらいお洒落したいと思って。

十人全員で大津さんが予約してくれたスペインバルへと向かう。大人数で移動するなんて、大学時代みたいで楽しい。

地下鉄に乗って一駅。最近話題のそこは、開店直後だと言うのに、若い人たちでにぎわっている。

「わー、ここ来てみたかったの」

「それはよかった」

「大津さん、センスいいんだね」

大津さんを褒めたら、なぜか森くんが不服そうな表情で私と大津さんの間に割って入ってくる。

「予約の電話したのは俺だよ」

だから自分も褒めて欲しいということなんだろうか。そんな森くんの頭を大津さんが撫でて、皆の笑いを誘った。

私たちは壁で仕切られたテーブルに通される。それから大津さんの音頭で乾杯し、みんな沢山飲んだ。

料理もとてもボリュームがあっておいしくて、どんどんお酒が進む。

酔いが回ってくると、みんなそれぞれが語り出す。将来どの分野に進みたいのかとか、もちろん恋愛話もした。

とても楽しくてつい、飲み過ぎてしまってトイレに立ったその後からの記憶がない。

< 139 / 250 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop