恋のカルテ
翌朝、私は意外なほどすっきりと目覚めることが出来た。
佐伯先生のおかげだ。
朝食でも作ろうと着替えて寝室を出ると、先生はまだソファーの上で眠っていた。
「もう少し寝かせておいてあげよう」
肌蹴た毛布を直そうと近づいた。すると、先生の様子がいつもと違うことに気付く。
「……先生?」
膝を付けて座り、そっと額に触れる。
「すごく熱い」
まるで昨日の私と同じようだ。
先生の体は高い熱を帯びていて、苦しそうな呼吸を繰り返している。私は寝室に戻って体温計を持って来ると先生の脇に挟む。
「どうしよう。九度五分もある」
どおりで熱いわけだ。これじゃ、仕事には行けないだろう。
私は五十嵐先生の携帯へ電話を掛ける。あの日、お宅に訪問して、私たちのことを知られてしまった時はいやで仕方なかったけれど、こういう時は話が早くていい。
電話に出た先生に、自分の体調は回復したが、佐伯先生が熱を出してしまったことを報告した。すると五十嵐先生は私と佐伯先生が休めるようにしてくれると言ってくれた。
「先生、今日はゆっくり休んでいいそうですから」
聞えてないならそれでもいい、そう思いながら声をかける。すると先生はうっすらと目を開けた。