恋のカルテ

それから五分も経たないうちに、目の前の森くんは頬杖をついたまま動かなくなった。

シャーペンの先でつついてみたけれど、ピクリとも動かない。

おそらく寝てしまったのだろう。

今日は午後も同じ研修内容だ。

退屈と言ったら怒られてしまうかもしれないけど、私だって眠い。

だからってあんな堂々と……後で泣き付いてきても教えてあげないからね。

森くんの背中に向かいベーッと舌を出す。

すると運悪くインストラクターと目が合ってしまった。

怪訝そうな顔で睨まれた私は、コホンと軽く咳払いをして姿勢を正すとマウスを握り直す。

ちゃんと真面目にやろう。

無駄なことなんて何もないんだから。

< 56 / 250 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop